PRODUCTION NOTE

一癖も二癖もあるストーリー設定

ケヴィン・ハート「かなり厄介な殺人マシーンのような男が、ごく普通のサラリーマンと組んで犯人を挙げようとする。カルヴィンはかつて見たこともやったこともないことに挑戦する。それも、考えている暇なんてない、早く反応しなきゃならない。まるで陸に上がった魚だね。全体が切れ目なく流れるように繋がっている。脚本がいいんだね。ボブがどんな人間になったのかを目の当たりにして、カルヴィンは背中を押されたように感じる。ボブは色々やり遂げた男だが、それが返ってカルヴィンに自分が成しえなかったことを思い出させる。けれど、ボブと一杯ひっかけた夜、カルヴィンの人生は変わり始める。地獄を見るなんて勘弁してほしいが、ちょっと見方を変えれば、カルヴィンに自分の可能性を思い出させる絶好のチャンスだよ。覆いかぶさっていた雲が自然と晴れていくようなものだね。」

ドウェイン・ジョンソン「アクションが大好物の男がボブってやつだ。かたや相棒はアクションが大嫌いで、ヤだヤだと抵抗する。バディムービーとか、アクションコメディの設定としては上々だが、今回はちょっと違う。この映画の良い所は、ボブがいまだにカルヴィンをヒーローと崇めているところなんだ。『お前は最高、お前こそゴールデン・ジェット! 大好きだぜ!』ってね。遠い昔の高校時代のことだが、お互いの人生がその後どう変わろうとも、当時の記憶は消えないのさ。そういうアイデアが気に入ったよ。準備万端で戦略に長けているボブの能力は誰にも劣るものじゃない。それも彼の一面だが、一方でセンターコートの床に素っ裸で転がされたあの日から完全には立ち直れず、大人になりきっていない。だから、物事を子供感覚でしか見ることができない。武器を取るなりターゲットの眉間を撃ちぬいといて、『そのシャツどこで手に入れた? イカしているじゃん!』とか言うんだ。」

監督「面白いのは、ボブはマッチョマンに生まれ変わったのに、中身はまだ脆くてぎこちない子供のままってことだ。内面が成長していなければ、本当の意味で変わってはいないのさ。表面的にはイジメに立ち向い、なりたい自分になっても、過去に縛られてしまう大人のヒーローの抱える深い問題に気づかせてくれる。だからといって、ドウェインのアクションが減ることもないし、ケヴィンは適材適所で笑わせてくれる。最高だと思うね。ストーリーには2つのタイプがあると言われている。まともでない世界に投げ込まれたまともな人間のストーリーと、まともな世界に放り込まれたまともでない人間のストーリーの2つだよ。ケヴィンはまともでない世界のまともな人間を演じているわけだから、そういう意味で彼は観客の代弁者と言える。つまり、観客はカルヴィンの視点でものを見れるんだ。」

作品のテーマ

監督「これは2人の男がタッグを組んでCIAと戦いながら衛星の暗号を手に入れようと奮闘する、笑いあり、アクションありの映画だが、根本は、大人になるとはどういうことか、それを探求する男の話だ。僕がこの作品で好きなのは、そこなんだ。イジメられ、もがいた挙句に自分自身を取り戻す。誰でも決して誇れない側面を持っていて、それを露出することを怖がっているものだが、そういう側面は確かにある。間抜けな人間でもカッコよくなれる良い例がカルヴィンとボブだ。自分のカッコ悪い部分を認めていいんだよ。それを描けたこの作品に、僕は満足している。君が自分のカッコ悪い面を認めていいと、僕がここに認めるよ。映画を観ていい気分になってくれれば嬉しいね。笑って、ちょっとだけ疑問を持って。これはビッグサイズの旨いチーズバーガーみたいなコメディだ。そして、最後に何か感じ取るところがあってくれるといい。なぜって、これは心のストーリーだから。」

ドウェイン・ジョンソン「ありのままの自分を受け入れなきゃ。14〜16歳くらいなら、それも大変だよ。まるで世界が自分の肩に丸ごと乗っかっているような感じだし、アイデンティティの問題もあるし、脆さもある。でも、みんなそういう時代を経験するんだ。だが、言わせてほしい、君自身のままでいることが最もパワフルだってことを! だから、ダサいカバンを持ちたいなら堂々と持てばいい!」